前ページでは月を大きく撮影する様々な方法や作戦についてまとめました
知識0の僕が望遠鏡を作ってみた
はじめに、読む時間が勿体ない人の為に最初に言っておくと、ここで作るのは屈折式望遠鏡でケプラー式ってやつ。作ればとりあえずそれなりの見栄えになるし、ザ・望遠鏡っていう形をしているから楽しくなれる。あと、この記事で出来上がる望遠鏡は一番簡単な構造で作っているので像が反転する。慣れないうちは操作が難しいと思う。それが嫌であれば更に反転させるなり、それに慣れるなりの対策をすること。
ちなみに、材料の調達とか面倒だぜ、でも作ってみたいぜ。って人は、「コルキット スピカ」ってググってみると、多分幸せになれると思う。実際に使ったことも作ったこともないけど、とても評判が良い。それでもどうしても、ゴミやら何やらから作りたいっていうドMで無駄に行動力だけあるような人は、これから先を読んで一緒にワクワクして欲しい。
さて、本当にうまくいくのか、全くわからないがとりあえず抑えきれないワクワクを優先して、やるだけやってみることにした。
前ページで決定した撮影方法、「コリメート撮影」を行うには望遠鏡がいる。既に持っている双眼鏡でも良いが、それは気付かなかったことにして、今回はワクワクの自作コースを選ぶ。そして、簡単に望遠鏡っぽいものを作るには何が必要かざっくりと調べた。
望遠鏡に最低限必要なもの
- 対物レンズ
- 望遠鏡の一番前にある大きなレンズ。今回は倉庫に眠っていた壊れた双眼鏡の対物レンズを取り出して使うことにした・100均の虫眼鏡のレンズでも良い
- 接眼レンズ
- 眼を当てて除きこむ、目に一番近い箇所にある小さなレンズ・アイピースとも言う・同じく倉庫に眠っていた壊れた双眼鏡のアイピースをそのまま使うことにした・100均のルーペのレンズでも良い
- 筒(鏡筒)
- 実際のところ、対物レンズと接眼レンズの中心を一直線に置き、平行に並べることで光学的に光は通るようになるが、2枚を手で持つわけにもいかないので、レンズを固定する筒は絶対に必要だと思う・そして一番の理由は鏡筒が無いと望遠鏡っぽくないから必須・今回はスーツのゴミをとるコロコロのカバー部分と、会社で使うラミネートのボール紙製の芯にアイピースを差し込んで使うことにした。正直レンズが支えられれば何でも良い。
必要な材料の長さとか大きさを決める
望遠鏡っぽいものを作るにあたって、大きさを決めなければいけない。ガワを元にレンズを決めるなんていうことはしない。何故なら、レンズを探している間に夏休みが終わってしまうから。ここでは子供の自由研究っぽく、手持ちの傷だらけのレンズ、もしくは100均のルーペやら老眼鏡やらに合わせたガワを決定することにする。
ではどうやってレンズを元にガワを決めるか。ここは出来上がってからだと変更が面倒なのである程度真面目にやる。けど、小難しいことはあとで調べれば良いと思うので、まずはやってみてからの方が理解できるはず。きっと大丈夫。多分。だからやってみよう。
それと、100均のルーペとかは凸レンズっていう横からみるとこんな形→()のレンズが普通だから、その前提で話す。
対物レンズ・接眼レンズの焦点距離を出す
先に、冗談じゃ済まされない部分の子供向けのメッセージを書いておく。僕はこういう事故が心から全力で大嫌いな慎重派タイプだから。
注意:ゼッタイにレンズでタイヨウをみないこと。
注意:ゼッタイに紙とかのもえるモノにタイヨウの光を当てないこと。
一生、目が見えなくなったり、火事になったりしたら、自分もお父さんやお母さんも悲しむし、自分を育ててくれている人がとても重たいセキニンを取らなければいけなくなるから。これはマジ。ビビってるのはカッコ悪くないし、それくらいでちょうど良い。
さて、話は戻って、「焦点距離」っていうのはレンズの中心あたりから、レンズを通して見たものが一番綺麗に見える距離。その距離を定規とかで測ったりする。一人だと測りずらいぜって人は、簡単な方法として、レンズに紐を張り付けた状態で焦点距離を出すと、光が綺麗に見えた時のレンズから地面までの紐をつかんで定規で測れば良い。
望遠鏡の筒の長さを決める
結論から言うと、望遠鏡の長さは接眼レンズと対物レンズの焦点距離を足した長さになる。
しかし、あまりにピッタリの長さで一本の筒で作ると、前後できなかったりピント調整が全くできなくなる。更に、「接眼レンズの直径<対物レンズの直径」という関係がザ・望遠鏡っていう形をしているので、対物レンズ用の太い筒の中に、接眼レンズ用の細い筒(アイピース)を入れる形になる。だから望遠鏡として使うときは両レンズの焦点距離を足した長さよりも長くなる。だから、下の絵のような感じで焦点距離よりも長めの「筒A」を用意する。アイピース側の「筒B」は焦点距離よりも短くて良い。で、焦点距離のとんがったところをぶつけるとピントが合う。レンズを筒に固定する方法を考える
固い金属製の鏡筒やホムセンで安く売っている塩ビ管(VP管・VU管)であれば、レンズの側面を極小ビスで3点や4点止めする方法があるので、わざわざ強靭な筒を用意した上、穴を開けられる人はそんな方法でも良いと思う。しかし、今回は話のレベルが違い、筒が紙製だったりゴミだったりする。だからビスは使えない。
ではどうやって止めるかというと、鏡筒に使う筒を少しだけ輪切りにして、少しだけ切れ目を入れてこんな方法で止める。