埼玉県南部にカブトムシがいるのか探しに行ってみた

20140730夏休みと言えばカブトムシ。子供ならば絶対に吸い込まれる、あの魅力的な動く黒い物体のことである。

僕の生まれは東京の城東地区で、子供頃の虫取りと言えば、カマキリ程度でキャッキャできる程に虫の種類が少なかった。カブトムシやクワガタのようなザ・虫が絶対にいないのだ。だから、夏休みと言えばセミ集めに没頭していた。しかし、本当は物凄くカブトムシが欲しかった。

参考:初心者がセミを羽化させてみた

で、僕は今大人である。少なくとも子供ではない。タイヤが2つの自動二輪車や4つもついた普通自動車という文明の利器を、自分で運転できるようにもなった。これはもうカブトムシを探す為に教習所へ通ったといっても過言ではない。彼らを迎えに行こう、子供の頃の夢を取り戻す為に。

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カブトムシの居場所を調べてみた

そもそもカブトムシってどこにいるの

はじめに、ここではカブトムシのいる場所について詳細は公開しない。釣りや虫取りの中での「ポイント」というのは結構シビアな問題だからだ。だから、実際に○○県にもいたよっていう程度の報告だけとする。もし場所を探している人がいれば、知り合いに聞くなり、この記事の探し方をヒントにするなりしてほしい。

さて、カブトムシのいる場所についてだが、闇雲にガソリンを燃やしても、カブトムシには会えないはずだ。というわけで、早速、ネットという文明の利器の力を借りることにして、調べてみた。

ブナクヌギコナラという木がある場所におり、小さなオナラのような香しいネーミングのコナラとはブナ目ブナ科コナラ属・・・、なるほど全くわからなかった。僕が身近に見てきた植物は、台風の時期に玉を飛散し、まるで小人が一斉に放屁したかのような匂いを撒き散らすイチョウという木だけである。そう考えると、イチョウの方がよりコナラらしいと思う。とにかく、樹液を出す広葉樹の森だか林だかにいるらしいことが分かった。では探してみよう、そんな夢のような森を。

ブナ科の樹液を出す樹はどこにあるのか

まず初めに行ったのは、国土地理院の地図を参照し広葉樹マークを探しまくること。こうして探してみると案外、まとまった広葉樹が都内にも点在するのだが、なにせ都内だ。少なくとも僕の住んでいる地域一帯が記載された国土地理院の地図からは、カブトムシの匂いはしなかった。都会とか田舎とか言う意味ではなく、この地域のごく一般的な場所に「ザ・昆虫」はいないはずである。

そして、段々調べるのが面倒くさくなってきて、カブトムシもういいや。となりかけたところで、埼玉に住むイトコから電話があった。その電話の中で広葉樹があるところはないか。そもそもカブトムシは家の近くにいるのか。という質問をしたところ、あっさり「居る」との答えが返ってきた。調べるよりも地元の人の意見が大事だと改めて良く分かったところで、早速出発だ。

埼玉県南部でカブトムシを探してみた

舞台は埼玉県南部の住宅街。道を知っていて渋滞無くゆっくり行けば、都内から1時間半程度とアクセスしやすい場所である。夜6時半頃出発し、迷いながらも8時には到着した。辺りには、小さな山のような森のような、それほど高くない丘が点在し、その中に僕の中の昆虫の王者カブトムシがいるそうだ。

イトコに実際に会い、詳細を聞いたところによると、夜は自動販売機などの前にも落ちていることがあるらしい。しかし子供の頃の話なので、今はどうかわからないとのこと。この話は、ネットで予習してきた頭でっかちな知識によると、普段月に向かって飛ぶカブトムシは、月の出ていない日になると、自動販売機の光を月と勘違いしそこに向かい飛来するらしい。そもそも何が楽しくて月に向かって飛ぶのかと問い詰めたいところだが、そこは何か事情があるのだろう。

ちなみに、今回のカブトムシ探しは、よくある夏休みの光景のような明るい時間帯ではなく、夜中に決行する予定だ。何故なら僕は大人だから、深夜の森で懐中電灯を振り回していても怒られないからだ。それと、明るく暖かい時間帯はスズメバチが多く、カブトムシついでに刺されでもしたら次の日の仕事に影響してしまうかもしれない。それは避けなければいけない。大人だからだ。

カブトムシ捕獲作戦を考えた

時間が無いので暗闇で樹液ついでにカブトムシ探す作戦
樹液に集まる習性のカブトムシを捕まえるには、樹液を探すのが先決らしい。ただしそれは明るいうちの話なので、今回の深夜の森徘徊は、懐中電灯で直接樹液を探す。そしてついでに樹液に集まっているカブトムシが照らされたら捕まえる、という非常に効率の良い作戦だ。簡単に言うと懐中電灯でカブトムシを探すだけだ。
もし樹液が出ていなかったら仕掛けで釣る作戦
実は今回、もし樹液が出ていなかった場合の為に、仕掛けも作ることにした。もしかすると樹液よりも仕掛けにものすごく集まってくることもあるのではないかという期待を込めて、1週間熟成させたバナナをストッキングと網タイツに入れて潰し、現地に到着した段階で樹に括り付けておいた。

作戦実行

食事をとり、夜中になったところで作戦を決行することにした。真夜中の森は足元どころか何一つ見えなく、万が一敵に襲われたりしたら大変なので、イトコ2人についてきてもらった。決してお化けが怖かったわけではない。決して。

はじめに仕掛けておいた罠を確認しにいった。懐中電灯で罠を照らすと、何か虫が来ているではないか。しかし、よく見るとただのドウガネブイブイだった。他の虫は見当たらず、案外罠に寄ってこないことが証明された。こうなったら仕方なく、最後の手段としてとっておいた、「樹液ついでにカブトムシ探す作戦」に切り替えることにした。というわけで、暗闇を突き進み、懐中電灯をブンブン最速で振り回した。こうすることで、一度に周囲数十本分の樹を見ることができるという戦法である。

ついに見つけたカブトムシ

探すこと30分、どの樹にもカマドウマが多い。それも、結構しっかりしたサイズばかりで不気味だ。全部カブトムシならいいのに。とやや乱心気味に懐中電灯を振り回すと、奥の樹に黒い塊が3つほど照らし出された。まさかこれは!と意気揚々と近づいてみると、なんと昆虫の王者カブトムシではないか。案外簡単に見つけてしまった。居るところにはやはり普通にいるらしい。

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ザ・昆虫らしい堂々とした姿

というわけで、この後もテンポ良くカブトムシを見つけ、最終的には1時間30分程度で合計7匹のカブトムシを捕まえた。少し残念なことに、少年の頃の僕の中のカブトムシのイメージはツノが生えた虫であったが、こうして捕まえてみるとメスが多くオスは2匹にとどまった。ちょっとしたハーレム状態だ。それと、コクワガタも樹の根元でノコノコしていたので拾った。

まとめ

「罠」VS「樹液」勝敗の行方は

罠の完敗。完全なる樹液の勝利である。確かに、罠にはカナブンっぽいものが来ていたが、樹液のパーティールームっぷりはすごかった。カブトムシから蛾やゴキブリや各種カナブン、得体の知れない虫が沢山集まっており、その差は歴然であった。自然の力恐るべし。

この先のカブトムシの探し方について考えてみた

今回のカブトムシ捕りは非常に楽しかったが、今回で終わったわけではなくこれからもこの命が尽きるまで捕るつもりだ。そこで、もう少し自宅から近い場所にいないものか調べてみると、結構居るらしい。やはり居るところにはいるのだ。そこで、まずは樹の種類をよく覚えようと思う。そして、その樹がまとまってある場所を見つけたら、明るいうちに樹液を確認してみようと思う。間違いなく夜はウハウハだ。

子連れのパパにおススメの遊びカブトムシ捕り

今回、ここまで色々と考え、大げさに捕獲しにいったカブトムシだが、恐らくカブトムシがいるところで育った人にとっては、普通すぎて興味すらないのかもしれない。しかし、それは贅沢だと思う。正確にいうと「すこぶる羨ましい!」。僕と同じように、少年時代を虫が少ない地域で過ごし、そのまま邪念にまみれた大人になってしまった人が沢山いるはずだ。更には親になってしまった人もいるかもしれない。しかし、これからでも遅くはない。今から大人の力を使ってカブトムシのいる場所を探し、自然体験を理由に我が子を連れまわして親が楽しめばいいと思う。