前のページでは今回使った道具や西伊豆の漁港について触れています
地磯・室崎にいってみた
夜中から朝まで運転をしてくれた上に、そのまま釣りを始めたものの最初の堤防でロクに釣れなくて、疲れ切った知人は車中に戻ると一瞬で寝る体制にはいった。目の下はクマだらけで、今にも寝そうな知人にちょっかいを出したりして、子供の頃のようにキャッキャしていたら、30回目ぐらいで本当に怒られたのでやめた。キャッキャしていたのは自分だけだったことに気が付いてびっくりした。
僕のおもちゃが無くなってしまいつまらなくなったので、事前に調べていた地磯に向けて車を進めた。到着後、とりあえず過労状態の知人を車内に放置し、道具も持たずに偵察したところ、山みたいな茂みを抜けて、更に下って出た先は結構な絶景だった。

ちなみに足下は崖になっていて15mぐらいある。落ちたら色んな意味でお祭り騒ぎになるだろうなあとか考えながら、そこにいたアオリ狙いのエギンガーらしき人に状況を聞いたところ、「全然だめ」とのこと。
じゃあ、カゴかフカセで狙ってみようということになり、一度車に戻り道具を持って戻ってくると、丁度先のエギンガーも納竿したところだったので、そこに入らせてもらいバイバイした。早速、準備をしながら偏光グラスで海を覗いたら、遠いながらもコロッケサイズのアオリらしき物体が2つイチャついていたが、餌木は車に置いてきてしまったので、見なかったことにした。
さあ、いよいよカゴ釣り開始だ。
先日、台風で自宅のベランダになぜか飛んできた「羽付き発泡浮き付き遠投カゴ釣りセット」をセットし、勢いよく投げた。そして、着水から仕掛けが馴染んだか馴染まないかのタイミングで、突然ウキが消し込んだ。
なんと地球が釣れた。
開始30秒で、地球にとって剃り残しのヒゲ程度にあたる、沈み根にひっかかって、「羽付き発泡浮き付き遠投カゴ釣りセット」は全てもっていかれた。
しばらく沈黙して、タバコを吸いながら大海原に向かい10分程静かにたそがれた。この星の偉大さ、そして剃り残しの圧倒的なまでの力に、僕の心は折れてしまいそうだった。
その後しばらく立ち尽くした末、勇気を振り絞りなんとか足を一歩踏み出したところ、足元に誰かが捨てていったアイゴを踏みそうになった。物凄く焦って避けて転んだ上、そのまま崖から転落しそうになったがなんとか持ちこたえて九死に一生を得た。危うく僕がロストするところだった。
さて、気を取り直して予備の4号ウキにカゴをつけて、カゴ釣りを続けることにした。試しに投げてみたところ、爆速で沈み続けた。なんと沈め釣りの初体験は自然がもたらしてくれた。そのまま仕掛け回収ついでに、糸を張り気味に潮に流してみたところ、突如魚信があった。
釣れればこれまでの不幸も全て吹き飛ぶ勢いで、アドレナリン全開で巻いたところ、目の前にいたのは腹が立つほど巨大な金魚だった。針からはずし、顔を真っ赤にして力一杯海に投げた。
1枚目:よく育ったネンブツダイ

地磯はまだ自分には早かった。いや、釣り自体が早かったと悟り、ここも終了。
移動先の漁港でついに食べ物が釣れた
先の地磯に完封負けし、これでは帰れない状況となってしまった為、夕方からの釣りに向けて近くの漁港へ移動。まだ日も高かったので、餌木をポイポイしてみたけど案の定ダメだった。
他に何かできないかと思ったが、ここは特に落とし込むような地形でもないので、プチロッククライミングをして遊んだ。
そんなこんなであっと言う間に日も落ち始めたところで、他の釣り人から漁港の内側にサバが入ってきたとの情報が入り、早速サビキを開始した。しかし、針が大きい為か僕はあまり針がかりせず、知人ばかりがサバ塩やバッテラを釣り上げる姿を横目に見ていた。
途中で僕は作戦を変更し、一本針にして金色の鯵針の小さいのを使ったところ、スズメダイとメジナの幼魚がうるさかったが、なんとかほぼ確実に針がかりするようになり数匹の小サバが釣れた。
しかし、釣れ始めたところで、まさかのコマセ切れにより強制終了。仕方がないのでここで納竿とした。
なんだかんだで、最終的に飯が釣れてよかった。
西伊豆はとても素敵な場所だった。